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ダリ回顧展 [レポ]

こんな気温になるとは予測もしないまま、着いたのは上野駅。

タイムショックの高校生大会で東京に来たとき、あっさりと一回戦負けして早々に帰ることになった我が彦根東チーム。その時に新幹線のが来るまでの待ち時間を上野で過ごしたのが思い出される。思えばそれ以来か。

今回の目的は、テレビでCMもやっている「ダリ展」

 

生涯天才を演じ続けた、とか何とか言われるが、まぁまぁ、絵を見てみれば普通に上手い。何をもって天才とするかどうかによるが、十分に展覧会を開くに値するだけのパワーがある。

ダリはシュールレアリスムの大きな担い手と言われるが、初期の作品は何やら保守的なものが多い。1929年というターニングポイントまでは、細密にしても何にしてもいわゆる「上手い」絵を書いている。基礎がしっかりできていて…ということだろう。が、ダリの作品はどこかヘンだ。

遠近法をきちんと守っているかと思いきや、終点がちょっとズレていたり、影が秩序立って同じ方向に付いているかと思いきや、関係ない方向に向いていたりする。おや?となる。特に光源。二つも三つもあるのかと思うくらい、あっちからもこっちからも光が当たっている。フロイトに影響を受け、精神世界を描いたらしいが、そうやって絵の下手さをごまかしていたのかもしれない。完璧になれなかったくやしさがあったんじゃないかなぁ。

だからかどうかは分からないが、シュールレアリスムで弾けるまでの絵にはそれほど面白味を感じなかった。

 

 

で、ダリがシュールレアリスム運動に参加する1929頃からの絵は、急に面白く見える。まぁこれも先入観の賜物かもしれないが、実際そうなのだ。今までのヘンな部分が上手く転化しているように見える。

歪んだ見方かもしれないが、ダリは「普通に」絵を描いていて認めてくれなかった世間と、「普通に完璧な」絵を描けなかった自分、への怒りを、シュールレアリスムにぶつけていたんじゃないかと思う。認めてくれない世間に対して、見返してやるというか、ちょっとスネつつも、「認めないお前らが間違ってる!これが芸術じゃ!」みたいな思いをぶちまけているんじゃなかろうか。そういったヒガミからパワーが生まれることを、我々はよくよく知っている。だから批判の矛先がそのシステム社会全体に向かっていたのだ。

 

あとはもう、ダリさんやりたい放題、みたいな感じになっていく。完成したら、あとはやりたいようにやるだけだ。面白かったのが、その作品のタイトル。もうネタとしか思えないようなものを、ダリさんはつける。まぁ翻訳にもよるんだろうが、

「奇妙な廃墟の中で自らの影の上を心配でふさぎがちに歩き回る、妊婦に形を変えるナポレオンの鼻」

やら、

「六つの本当の鏡の中に仮に映し出される六つの仮想の角膜によって永遠化される、背後からガラを描く背後から見たダリ」

やら。3Dに挑戦した作品、立体鏡作品なんてのもあり、面白かった。

他に印象に残っているのは、「秋のパズル」。空の高い様子が良かった。秋っぽいというかなんというか。あと、「妹の肖像」には笑った。もうちょっとキレイに描いてやれよ。ただのオッサンに見えた。

 

 

と、それなりに勉強になった。一つ腹が立ったのが、「順路はございません」という展示方式だったのに、人が多すぎて順路が勝手に出来ていたことだ。流れを作って、その流れに乗らないと絵が見れない、みたいな雰囲気になってしまっている。一つの絵をじっくり見ていると、「ちょっと、早く次の絵行ってくださいよ…」みたいな空気を出される。あーイライラ。でもこればっかりは空気を読んでいられない。流れをせき止めてじっくり見てやった。フン。

 

おみやげの時計、これ時間分かったらアカンのちゃうん?

 

 

 まぁそんなこんなで、上野の森美術館を後にした。

興味のある人はどうぞ。


「ダリ回顧展」

2006年9月23日(土)~2007年1月4日(木)

 東京・上野の森美術館


 

本日のおまけ

 

帰りに寄ったアメ横にて。

 

「証拠は、こちらになりまーす。」

2006年大晦日、TBS特番「ボビー×ムルアカ」放送決定! (嘘


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